膝に水が溜まる原因と対処法
- 佐久間 中央
- 3月11日
- 読了時間: 5分
膝の水を放置するとどうなる?
整形外科を受診して、「膝に水が溜まっている」と言われたことがある方も多いかもしれません。
膝に水が溜まるという症状は、膝の関節内に通常より多くの関節液が蓄積し、腫れや痛みを引き起こす状態です。運動後に違和感を覚えたり、膝を曲げづらくなったりするという症状で受診される方が多いです。
本記事では、膝に水が溜まるとはいったいどういうことなのか、原因、対処法、治療法、放置するとどうなるのか について詳しく解説します。
1. 膝に水が溜まるとは?
膝関節には、関節の動きを滑らかにするための「関節液(滑液)」が存在します。しかし、炎症や外傷などの影響で関節液が過剰に分泌されると、膝に水が溜まる状態になります。
膝に水が溜まると起こる症状
膝が腫れる(関節が膨らんで見えたり、触るとプニプニとしている)
膝の曲げ伸ばしがしにくくなる(特に曲げる動作が普段よりも大変)
膝を動かす時に違和感やこわばりを感じる
痛みを伴うことがある(炎症が強い場合)
膝に熱感を感じる(炎症が進行している場合)
2. 膝に水が溜まる原因
膝に水が溜まる原因はさまざまですが、大きく分けて以下の3つに分類されます。
① 変形性膝関節症(加齢による影響)
膝の軟骨のすり減りが進むことで関節に炎症が起こり、水が溜まりやすくなります。
50歳以上の方に多く見られ、特に女性に発症しやすい。
② 膝の怪我(外傷)
半月板損傷、靭帯損傷、膝の打撲などが原因で炎症が起き、水が溜まることがあります。
スポーツ時の急な動きや転倒がきっかけになることが多いです。
③ 関節リウマチなどの炎症性疾患
免疫系の異常により関節に炎症が起こり、膝に水が溜まります。
朝のこわばりや、両膝に同時に症状が出ることが特徴です。
3. 膝に水が溜まったときの対処法
膝に水が溜まった場合、適切な対処を行うことで症状を改善できます。
① 安静にする
膝への負担を減らし炎症を抑えるために、過度な運動を控えて安静にします。
関節液は滑膜で生成され、炎症が治まると滑膜から吸収されることで自然に減少するため、水が少量であれば安静にすることで改善することもあります。
② アイシング(冷却)を行う
運動などで膝に負担がかかった後や熱感がある場合は、炎症を抑えるために、氷や冷却パックで膝を15〜20分冷やします。
③ サポーターの活用
長時間歩く機会が多い方や膝に負担のかかる仕事や運動をする方は、サポーターを活用すると、膝関節の動きをサポートしてくれます。

4. 膝に水が溜まったときの治療法
症状が長引く場合や痛みが強い場合は、適切な治療が必要です。
① 水を抜く(関節穿刺)
水の量が多く、痛みなどの症状が強い場合、注射で関節液を抜くことがあります。
しかし、水が溜まった原因にもよりますが、根本的な治療ではなく、一時的な処置 となるため、繰り返す場合には原因の治療が重要です。

「膝の水を抜くと癖になる?」「膝の水を抜くと癖になる」とよく言われますが、医学的には「水を抜いたことが原因で癖になる」わけではありません。 関節内に水(関節液)が溜まるのは、膝関節の炎症や損傷が原因であり、これらの原因が解決されない限り、水が再び溜まる可能性は高いです。 🔹 なぜ「癖になる」と思われるのか?
🔹結論「膝の水を抜くと癖になる」というのは誤解であり、本当の原因は膝の炎症が続いていることです。水を抜くだけでなく、膝の炎症を抑える適切な治療や生活習慣を取り入れることで、再発を防ぐことができます。 |
② ヒアルロン酸注射
炎症を抑え、膝関節の動きを滑らかにするために行われます。
関節の保護と痛みの軽減にも効果があります。

③ PRP療法・再生医療
PRP(多血小板血漿)療法や培養幹細胞療法 など、自己治癒力を利用した治療法も選択肢となります。
軟骨の修復を促し、膝の炎症を抑える効果が期待できます。

④ リハビリ(運動療法)
膝の周りの筋肉をきたえ、膝関節をサポートし、ストレッチで柔軟性を高めるトレーニングを併用することで再発予防にもつながります。
過剰な負担を避けるためには、歩き方や姿勢を改善することも大切です。

5. 放置するとどうなる?
膝に水が溜まる症状を放置すると、以下のようなリスクがあります。
痛みが慢性化する:日常生活の動作(歩行・階段の上り下り)が困難になります。
変形性膝関節症が悪化する:軟骨のすり減りが進み、膝の変形が強くなる可能性があります。
手術が必要になることも:重症化すると人工関節置換術などの手術療法が必要になるケースもあります。
💡 早めの治療と適切なケアが、膝の健康を守るカギになります!
6. まとめ
膝に水が溜まるのは 炎症や外傷、変形性膝関節症が原因
まずは安静 で炎症を抑え、必要なら医療機関を受診
ヒアルロン酸注射やPRP療法、リハビリなどの治療法 もある
放置すると 痛みが慢性化・変形性膝関節症が進行するリスク あり
「膝に水が溜まる」という症状を軽視せず、適切な対処と治療を行うことが大切 です。
膝の痛みや腫れが続く場合は、早めに専門医に相談し、適切な治療を受けましょう!

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